合気道のよさ

心と体が健康になる

合気道の技法は自然の理にかなった動きからできているので、心身のバランスが自然に取れてきます。

稽古をしているうちにストレスも解消されます。性格的な歪みも矯正されて、穏やかでしかも積極的な性格を作ってくれる 可能性があります。稽古が進んでいけば、明るく前向きな感情が 沸き起こることもあるでしょう。

これは、合気道の技法が「気」によって心や体の力を外に出し切ることを基本としているからです。暗い感情が心の中に淀むことが減ってきます。

スポーツは勝敗を前提にして練習するので、その練習法が健康に良いとは限りません。武道の技法でも同じことが言えます。
合気道は勝敗を争いません。全ての動きが自然法に適うように工夫されています。よってバランスの取れた鍛錬法であり、そのまま体の健康法として利用できます。

合気道の技法は、いつも動かすことの少ない関節や筋肉を、少しずつ無理なく動かして柔軟にするように工夫され、裏筋肉のしこりを取ります。また、深層筋(インナーマッスル)を鍛える事にもつながります。

神経系にも適度な刺激を与え、血行を良くするので循環系の機能も活発にしてくれます。予防医学の立場からも大いに役立ちます。

護身術が身につく

武道としての合気道は、護身術としても役立ちます。

人間、いつどこでどんな災難に遭うかわかりません。理由もなく関係もなく、突然、暴漢に襲われることもあるかもしれません。そんな時、反射的に身の危険を避ける無駄のない素早い動きは、合気道 独特のものです。

女性の護身術としても最適だと思います。合気道は力任せの技法ではなく、相手の力を合理的に利用する技法を基本にしているので、非力な女性の護身術として向いているのです。

しかし、相手に立ち向かって制するだけが護身術ではありません。女性なら、暴漢の出現しそうな場所、時間を極力避ける配慮、たとえ暴漢に襲われたとしても、冷静沈着に対応できる心づくりもまた大切で、それらは合気道の日々の修練によって養われます。

最近の敵は何も暴漢ばかりではありません。暴走する車、頭上から落下する建築資材なども敵なのです。身に降りかかる危険に瞬間的にハッと気づき、無意識に素早く体をかわしたという経験者は、合気道を修行する者にはたくさんいるのです。

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武道の世界を探求できる

合気道は日本古来の伝統を踏まえた武道です。

武道には、昔から伝えられたものをそのまま踏襲する古武道があります。しかし、合気道は古武道ではありません。

数多くの流派の古武術を極めた開祖、植芝盛平翁が、これの古武術の奥義を統合して新しい武道として編み出したのが合気道です。

従って合気道は、古武術の奥義を一段と飛躍させた武道の集大成であると同時に、現代社会に即応しながら新しい工夫が加えられた現代武道なのです。

新しい武道としては、合気道の他に柔道、剣道、空手道などがありますが、これらは競技としてスポーツ化する方向へ進み、それぞれに繁栄しています。

しかし合気道は、勝敗を争う競技スポーツの道は選ばずに、あくまでも武道精神を尊重し、しかも現代が求めるものに応えながら現代武道として発展してきました。

合気道の最大の特徴は、日本の伝統を伝えながら、新しい息吹を吹き込んだ純粋の現代武道であるという点にあります。